親が認知症になる前に遺言書を|判断能力と遺言書の有効性の関係【福岡・飯塚の相続遺言ガイド】

後悔しないように・・・。

「最近、親の物忘れが増えてきた。今のうちに遺言書を書いてもらったほうがいいのだろうか・・・。」

遺言書は、作成する時点で遺言者に十分な判断能力があって初めて有効になります。

認知症が進んでからでは、希望どおりの遺言書が作れなくなるおそれがあります。

本記事では、判断能力と遺言書の有効性の関係、そして早めの準備の大切さについて、福岡・飯塚相続遺言の相談所 行政書士あきつ事務所 行政書士の光野がお話いたします。

目次

遺言書に必要な「遺言能力」とは

遺言書をつくるためには、「遺言能力」が必要です。

民法961条により満15歳以上であれば遺言ができ、さらに民法963条は、遺言者は遺言をする時にその能力(遺言の内容と、それによって生じる結果を理解できる判断能力)を有しなければならないと定めています。

また、民法3条の2により、意思能力を欠いた状態でした法律行為は無効となります。

つまり、遺言書の有効性は「作成した時点」の判断能力で決まります。

認知症と診断されたら、遺言書は作れない?

認知症と診断されたことだけで、直ちに遺言書が無効になるわけではありません。

症状の程度は人によって異なり、軽度の段階や、症状が落ち着いている時期には、遺言能力が認められる場合があります。

重要なのは、「遺言書を作成した時点で、内容を理解し判断できる状態だったか」という点です。

実際に遺言を執行する際に、争いのきっかけとなります。

成年被後見人の場合の特別ルール

成年後見制度を利用している方(成年被後見人)でも、事理を弁識する能力を一時的に回復した時には、医師2人以上の立会いのもとで遺言をすることができます(民法973条)。

ただし、立会いの医師が遺言時に判断能力があったことを遺言書に付記して署名押印する必要があり、手続きの負担が大きくなります。

認知症が疑われる時期の遺言書で起こりやすいトラブル

  • 相続人の一部から「作成当時、判断能力がなかった」と遺言の有効性を争われる
  • 特定の相続人に有利な内容だった場合、「誘導されて書かされたのでは」と疑われる
  • 遺言の有効性を争う場合、裁判では診断書・介護記録・作成時の状況などが証拠として検討される

遺言の有効性をめぐる争いは、裁判所で判断される問題となり、その代理は弁護士の業務です。

こうした事態を避けるには、お元気なうちに、判断能力がしっかりしているうちに作成しておくことが何より重要です。

遺言書の方式による認知症リスクの違い

項目自筆証書遺言公正証書遺言
作成時の判断能力の確認第三者の確認が入らない公証人が面談して意思・判断能力を確認する
有効性を争われるリスク高くなりやすい低いが、ゼロではない
作成状況の記録残りにくい公証役場に記録が残る
おすすめの場面判断能力に不安がない時期認知症の不安が出てきた時期

早めに遺言書を作成するための流れ

STEP1 ご本人の意思を確認する
まずは、ご本人がどのような遺言を残したいかを丁寧にお聞きします。

ご家族が内容を決めるのではなく、あくまでご本人の意思が基本です。

▼

STEP2 財産と相続人を整理する
財産の一覧を作成し、戸籍を収集して相続人を確定します。

▼

STEP3 遺言書の文案を作成する
遺留分にも配慮しながら、ご本人の希望を反映した文案を作成します。

▼

STEP4 公正証書遺言として作成する
公証人や証人の立会いのもと、公正証書遺言を作成します。

判断能力に不安がある場合は、事前に医師の診断書を取得しておくと安心です。

公証役場や行政書士など専門家に必要書類の確認、相談をすること。

こんな兆候があれば、早めの準備を

確認項目ポイント
☐同じ話を何度も繰り返すようになった記憶力の低下のサイン。早めの相談を
☐通帳や印鑑の管理が難しくなってきた財産管理に支障が出始めている可能性
☐日付や場所の把握が曖昧になることがある判断能力の低下が進む前の準備が重要
☐まだ遺言書を作成していない元気なうちに作成するのが最も確実
☐相続人同士で意見が分かれそう公正証書遺言と付言事項の活用を検討

よくある質問(FAQ)

軽度認知障害(MCI)と言われましたが、遺言書は作れますか?

軽度認知障害の段階であれば、遺言能力が認められる可能性は十分にあります。ただし将来的に争われるリスクを減らすため、公正証書遺言で作成し、作成時期に近い診断書を取得しておくなどの対策をおすすめします。

子どもが親に代わって遺言書を書くことはできますか?

できません。遺言は遺言者本人の意思によるものであり、代理人による作成は認められていません。

ご本人に判断能力があるうちに、ご本人自身で作成する必要があります。

認知症が進んでしまった場合、財産管理はどうすればよいですか?

判断能力が低下した後の財産管理には、成年後見制度などの利用が考えられます。

早い時期に想定することが出来、判断能力があるうちであれば、任意後見契約などで備える方法もあります。

状況に応じた対応をご案内いたしますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

遺言書は、作成する時点で十分な判断能力(遺言能力)があって初めて有効になります(民法963条)。

認知症の診断だけで直ちに無効になるわけではありませんが、判断能力が低下してからの作成は、後に有効性を争われるリスクが高まります。

特に遺留分の請求を受ける可能性がある場合は注意が必要です。

ご本人の意思を確実に残すためには、「まだ元気なうちに」「公正証書遺言で」準備を進めることが大切です。

当事務所行政書士あきつ事務所では、飯塚市・直方市・田川市・宮若市・嘉麻市をはじめ福岡県全域で、公正証書遺言の文案作成や公証役場との調整・日程予約、必要な書類の収集、また送迎など、丁寧にサポートしております。

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この記事を書いた人

光野 肇のアバター 光野 肇 福岡県飯塚市の行政書士

福岡県飯塚市で相続遺言の相談所 行政書士あきつ事務所をしております行政書士の光野肇と申します。遺言書の作成支援や相続手続きに特化した専門事務所です。ご相談は無料です。ご自宅に訪問し、ゆっくりお話をお伺いしいたします。

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