争族を防ぐ遺言書の書き方|兄弟間トラブルを未然に防ぐポイント【福岡・飯塚の相続遺言ガイド】

「うちは仲の良い兄弟だから大丈夫」
「兄貴はたぶん、賛成してくれると思う」
「面倒なのがい嫌いな人だから、放棄してくれると思う。」
――そう思っていても、相続が開始すると、何がきっかけに感情が変わり、親戚関係がこじれてしまうことはどこのご家庭にもあり得ることです。
相続をめぐる親族間の争いは、良く「争族」と呼ばれます。
その原因の多くは、遺言書がないこと、あるいは遺言書の内容に配慮が足りないことにあります。
当事務所行政書士あきつ事務所では、少しでもそのようなことが無いよう、事前の周知や話し合い、遺言書の作成など、争いが起きる前の予防として相続や遺言書作成をサポートしています。
本記事では、兄弟間のトラブルを防ぐ遺言書の書き方のポイントを解説します。
兄弟間のトラブルが起きる主な原因
相続トラブルは、財産の多い少ないにかかわらず起こります。
特に次のような場面が、兄弟間の争いの火種になりやすいと言われています。
| トラブルの原因 | 具体的な場面 |
|---|---|
| 財産の分け方に偏りがある | 「長男にすべて」「同居の子にだけ多く」など、理由が伝わっていない |
| 不動産が分けにくい | 実家が唯一の財産で、兄弟で均等に分けられない |
| 介護・生前の援助の不公平感 | 親の介護をした子と、していない子の間で貢献度の認識が異なる |
| 財産の全体像が不明 | 財産の内容を誰も把握しておらず、使い込みなどを疑われる |
| 生前贈与の有無 | 一部の子だけが住宅資金などの援助を受けていた |
争族を防ぐ遺言書の5つのポイント
①財産の分け方を具体的に指定する
遺言書があれば、遺産分割協議を行わずに相続手続きを進められます。
「誰に」「どの財産を」相続させるかを明確に記載することで(民法902条・908条)、分け方をめぐる話し合いそのものを減らすことができます。
②不動産は「分けやすい形」にしておく
不動産を兄弟姉妹などで共有にすると、売却や活用のたびに全員の同意、印鑑証明などが必要となり、将来のトラブルの原因になります。
特定の子が不動産を取得する代わりに、他の兄弟には預貯金などの金銭を渡す「代償分割」を意識した配分にすると、公平感が保ちやすくなります。
③遺留分に配慮する
子には遺留分があるため(民法1042条)、特定の子に偏った内容にすると、他の兄弟から遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。
遺留分に相当する金額を、預貯金など金銭で事前に用意しておくことで、話し合いがまとまり無用な争いを避けやすくなります。
④付言事項で「なぜそうしたのか」を伝える
分け方に差をつける場合は、その理由を付言事項に書き残します。
「長男には同居して介護してくれた感謝として自宅を」など、親自身の言葉で伝えることで、他の兄弟の納得感が大きく変わります。
⑤遺言執行者を指定する
兄弟のうちの誰かが手続きを進めると、「勝手に進めている」という不信感が生まれやすくなります。
行政書士などの専門家を遺言執行者に指定しておくことで(民法1006条)、中立的な立場で手続きを進めることができます。
遺言書の作成と同時に、財産の一覧(財産目録)を整理しておくと、相続開始後に「財産の内容が分からない」という不安や疑いを防ぐことができます。
介護や生前贈与への配慮
親の介護をした子の貢献は、相続人であれば「寄与分」(民法904条の2)として、相続人以外の親族(たとえば長男の妻)であれば「特別寄与料」(民法1050条)として考慮される制度があります。
しかし、これらは相続人間の話し合いや手続きが必要になるため、
できることならば、公正証書遺言の中で、その貢献に報いる遺贈など、あらかじめ定め記しておく方が良いかと思います。付言事項で理由も記載しておくことが非常に大切です。
生前贈与についても、同様に特別受益(民法903条)の扱いを公正証書遺言に明記しておくと安心です。
争族を防ぐ遺言書作成の流れ
STEP1 財産・相続人を確認する
不動産の個数や評価、預貯金証券などを調査し財産目録を作成し、戸籍をもとに相続人を確定します。
▼
STEP2 ご本人の想いを整理する
誰にどのような想いで財産を残したいのか、理由とあわせて整理します。
▼
STEP3 遺留分・分けやすさに配慮した文案を作成
不動産と金銭のバランスを考え、付言事項も含めた文案を作成します。
▼
STEP4 公正証書遺言で作成し、執行者を指定
無効リスクの低い公正証書遺言で作成し、遺言執行者を指定します。
争族を防ぐための最終チェックリスト
| 確認項目 | ポイント | |
|---|---|---|
| ☐ | 財産の分け方を具体的に指定したか | 「誰に・どの財産を」を明確に |
| ☐ | 不動産の共有を避けた内容になっているか | 代償分割を意識した配分にする |
| ☐ | 各相続人の遺留分を計算したか | 金銭で対応できる財産も確保 |
| ☐ | 付言事項で分け方の理由を伝えたか | 感謝の気持ちとあわせて記載 |
| ☐ | 遺言執行者を指定したか | 中立な専門家の指定が安心 |
| ☐ | 遺言書の存在を家族に伝えているか | 保管場所や相談先を共有しておく |
よくある質問(FAQ)
- 兄弟に平等に分ける遺言にした方がよいでしょうか?
-
平等に分ける場合でも、不動産の分け方や評価額をめぐって、当事者それぞれの思いがあります。
「平等=公平」とは限らないため、どの財産を誰が取得するか、そしてその遺言内容の理由が伝わるように具体的に指定しておくことが大切です。
付言事項を利用することが効果的です。
- 遺言書の内容を事前に兄弟へ伝えておくべきですか?
-
状況によって異なりますが、分け方に差がある場合は、生前に家族で話し合う機会をつくるか、付言事項で理由を丁寧に伝えておくと、相続開始後の混乱を抑えやすくなります。
- すでに兄弟間で揉めている場合も、遺言書の相談はできますか?
-
すでに相続人同士で争いが生じている場合の交渉や調停・審判といった手続きの代理は、弁護士の業務となります。
その場合は、弁護士へご相談ください。
まとめ
争族を防ぐ最大のポイントは、「元気なうちに」「具体的に」「理由とともに」遺言書を残すことです。
財産の分け方の指定、遺留分への配慮、付言事項での想いの伝達、そして遺言執行者の指定を組み合わせることで、兄弟間のトラブルを大きく減らすことができます。
当事務所行政書士あきつ事務所では、飯塚市・直方市・田川市・宮若市・嘉麻市をはじめ福岡県全域で、公正証書遺言の文案作成や公証役場との調整・日程予約、必要な書類の収集、また公証役場までの送迎など、お一人お一人にあった丁寧なサポートを心掛けております。
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