相続発生後10ヶ月以内にすべきこと【相続税申告の期限を意識した動き方】【福岡・飯塚・筑豊の相続ガイド】

「相続放棄の3ヶ月は過ぎた。でも、まだやるべきことがたくさん残っている…」
「遺産をどう分けるか、なかなか家族で話がまとまらない」
相続が発生してから3ヶ月が経過すると、次のステージへ進む時期です。
この段階では、遺産分割協議・銀行や不動産の名義変更・相続税申告など、相続手続きの中核となる作業が待っています。
そしてこれらには10ヶ月以内という重要な期限がかかっています。
この記事では、相続発生後4〜10ヶ月の動き方をわかりやすく解説します。
福岡・飯塚塚相続遺言の相談所行政書士あきつ事務所がサポートします。
10ヶ月以内の手続き|全体スケジュール
相続発生から10ヶ月間の流れを確認しましょう。
前半の3ヶ月(相続放棄の検討・財産調査)が終わったら、いよいよ本格的な相続手続きに入ります。
| 時期の目安 | 主な手続き | 重要度 |
|---|---|---|
| 4ヶ月以内 | 準確定申告(必要な場合) | ★★★(期限あり) |
| 4〜6ヶ月 | 遺産分割協議・遺産分割協議書の作成 | ★★★ |
| 6〜8ヶ月 | 銀行口座の解約・不動産の相続登記・各種名義変更 | ★★★ |
| 10ヶ月以内 | 相続税の申告・納税(必要な場合) | ★★★(期限あり) |
STEP1|遺産分割協議を行う
① 遺産分割協議(相続人全員で話し合う)
相続人が確定し、財産の全容が明らかになったら、誰が何を引き継ぐかを相続人全員で話し合います。この話し合いを「遺産分割協議」といいます(民法907条)。
全員が合意できれば、その内容を「遺産分割協議書」に書面化します。
遺産分割の4つの方法
| 方法 | 内容 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 現物分割 | 財産をそのままの形で分ける(不動産はAさん、預金はBさんなど) | 財産の種類が多い場合 |
| 換価分割 | 財産を売却して現金化し、分け合う | 不動産を誰も引き継がない場合 |
| 代償分割 | 一人が財産を引き継ぎ、他の相続人に現金を支払う | 実家を一人が相続する場合 |
| 共有分割 | 複数の相続人で共有名義にする | ※後々のトラブルになりやすく非推奨 |
遺産分割協議書の作成
協議内容が決まったら、「遺産分割協議書」を作成します。この書類は銀行や法務局など、各種名義変更手続きに必須の書類です。
- 相続財産の内容(不動産の地番・預金口座番号など)を正確に記載する
- 誰が何を引き継ぐかを明確に記載する
- 相続人全員が自署(自分で署名)する
- 相続人全員が実印を押印する
- 相続人全員の印鑑証明書(各1通)を添付する
STEP2|銀行口座の解約・名義変更
② 預貯金の解約・払い戻し手続き
遺産分割協議書が完成したら、故人名義の銀行口座の解約・払い戻し手続きを行います。
金融機関によって必要書類や手続き方法が異なりますが、基本的な流れは共通しています。
銀行手続きの流れ
- 各金融機関の相続手続き窓口へ連絡・来店予約をする
- 金融機関所定の「相続手続依頼書」を取得・記入する
- 必要書類一式を準備して窓口へ提出する
- 審査完了後、指定口座へ払い戻しを受ける
銀行手続きに必要な書類(一般的な例)
| 書類 | 取得先 |
|---|---|
| 故人の出生〜死亡までの戸籍謄本一式 | 各本籍地の市区町村 |
| 相続人全員の戸籍謄本 | 各本籍地の市区町村 |
| 遺産分割協議書(原本) | 作成したもの |
| 相続人全員の印鑑証明書 | 各住所地の市区町村 |
| 預金通帳・キャッシュカード | 手元にあるもの |
| 金融機関所定の相続手続依頼書 | 各金融機関 |
STEP3|不動産の相続登記(名義変更)
③ 不動産の相続登記(2024年から義務化)
故人名義の不動産がある場合、法務局で相続登記(名義変更)を行う必要があります。
2024年4月から義務化され、相続を知った日から3年以内に申請しなければ、10万円以下の過料の対象となります(不動産登記法76条の2)。
相続登記に必要な書類
| 書類 | 取得先 |
|---|---|
| 故人の出生〜死亡までの戸籍謄本一式 | 各本籍地の市区町村 |
| 相続人全員の戸籍謄本・住民票 | 各市区町村 |
| 遺産分割協議書(原本) | 作成したもの |
| 相続人全員の印鑑証明書 | 各住所地の市区町村 |
| 固定資産評価証明書 | 不動産所在地の市区町村 |
| 登記申請書 | 法務局のホームページから取得 |
STEP4|その他の名義変更手続き
④ 株式・自動車・保険などの名義変更
銀行・不動産以外にも、名義変更が必要な財産があります。遺産分割協議書が完成した後、並行して手続きを進めましょう。
| 財産の種類 | 手続き先 | 主な必要書類 |
|---|---|---|
| 株式・投資信託 | 証券会社 | 戸籍謄本一式・遺産分割協議書・印鑑証明書 |
| 自動車 | 陸運局(運輸支局) | 遺産分割協議書・車検証・印鑑証明書 |
| 生命保険の保険金請求 | 各保険会社 | 死亡診断書・戸籍謄本・保険証書 |
| ゆうちょ銀行 | 郵便局・ゆうちょ銀行 | 戸籍謄本一式・遺産分割協議書・印鑑証明書 |
| 農協(JA)の口座 | 各農協窓口 | 戸籍謄本一式・遺産分割協議書・印鑑証明書 |
STEP5|相続税の申告・納税(必要な場合)
⑤ 相続税の申告・納税(10ヶ月以内)
相続財産の合計額が基礎控除額を超える場合、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告・納税が必要です(相続税法27条)。すべての相続に相続税がかかるわけではありませんが、まずは基礎控除額と比較して確認しましょう。
相続税の基礎控除額の計算
| 計算式 | 具体例 |
|---|---|
| 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数 | 相続人が配偶者と子2人(計3人)の場合:3,000万円+600万円×3人=4,800万円 |
相続税がかかるかの確認ポイント
- すべての相続財産(不動産・預貯金・有価証券など)の合計を算出する
- 基礎控除額(3,000万円+600万円×相続人数)と比較する
- 合計が基礎控除額を超えていれば申告が必要
- 「配偶者の税額軽減」「小規模宅地等の特例」などの適用も確認する
- 申告が必要な場合は早めに相続税専門の税理士へ依頼する
10ヶ月以内に手続きが終わらない場合は?
相続人の間で遺産分割の合意が得られない場合や、財産の調査に時間がかかる場合など、10ヶ月以内に手続きが完了しないケースもあります。
| 状況 | 対応方法 |
|---|---|
| 遺産分割で相続人間の意見が合わない | 家庭裁判所の調停(遺産分割調停)を申立てる |
| 相続税の期限に間に合わない | 未分割のまま申告し、後から修正申告する |
| 相続人の一人が行方不明 | 家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申立てる |
| 相続人に認知症の方がいる | 家庭裁判所に成年後見人の選任を申立てる |
まとめ|10ヶ月以内の手続きチェックリスト
相続発生後4〜10ヶ月でやること まとめ
- 準確定申告が必要な場合は4ヶ月以内に税理士へ依頼する
- 遺産分割協議を相続人全員で行い、合意内容を協議書に書面化する
- 遺産分割協議書をもとに、銀行口座の解約・払い戻し手続きを進める
- 不動産の相続登記を司法書士へ依頼する(3年以内・義務化)
- 株式・自動車・保険など、その他の名義変更も並行して進める
- 相続財産が基礎控除を超える場合は10ヶ月以内に相続税を申告・納税する
相続手続きは、正しい順序で進めることが何より大切です。
「遺産分割協議書ができていないのに銀行へ行った」「相続税の期限を知らずに過ぎてしまった」というケースは実際によくあります。
期限を意識しながら、一つひとつ確実に進めていきましょう。
福岡・飯塚相続遺言の相談所 行政書士あきつ事務所では、遺産分割協議書の作成・戸籍収集・銀行手続きのサポートなど、飯塚市・直方市・田川市・宮若市・嘉麻市をはじめ、福岡県全域の相続手続きをトータルサポートしています。「何から始めればいいかわからない」という段階からご相談いただけます。
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