相続発生後3ヶ月以内にやること・決めること【相続放棄の期限に注意】|【福岡・飯塚・筑豊の相続ガイド】

相続発生後三か月以内にすべきことを解説!


「お葬式が終わって少し落ち着いたけど、相続の手続きって何から始めればいいんだろう…」

「親が借金を残していたかもしれない。どうすればいいの?」

相続が発生してから最初の3ヶ月間は、相続手続きのなかで最も重要な時期です。この時期に行う判断や手続きが、その後の相続全体の方向性を左右します。

特に相続放棄の期限は3ヶ月以内と法律で定められており、知らずに過ぎてしまうと取り返しのつかない事態になることも。この記事では、相続発生後3ヶ月以内にやるべきことを、ひとつひとつわかりやすく解説します。

目次

3ヶ月以内の手続き|全体スケジュール

まず、3ヶ月間の流れを大まかに把握しましょう。

1ヶ月目
急ぎの手続き

2ヶ月目
財産・相続人の調査

3ヶ月目
相続方法の決定
 

4ヶ月目以降
分割・名義変更へ

時期主な手続き重要度
7日以内死亡届の提出★★★(法定期限)
2週間以内年金停止・健康保険返却・世帯主変更★★★(法定期限)
1ヶ月以内遺言書の確認・相続人の調査開始・財産調査開始★★★
2ヶ月以内戸籍収集完了・財産一覧の作成・借金の調査★★★
3ヶ月以内相続放棄・限定承認の決定と申述★★★(期限厳守)

やること①|遺言書の有無を確認する

① 遺言書の確認(できるだけ早く)

相続手続きで最初に確認すべきことが「遺言書があるかどうか」です。

遺言書がある場合は、その内容が法定相続分より優先されます(民法902条)。遺言書の有無によって、その後の手続きの進め方が大きく変わります。

遺言書の探し方・確認方法

遺言書の種類確認方法注意点
自筆証書遺言自宅・金庫・貸金庫などを探す勝手に開封してはいけない(家庭裁判所の検認が必要)
公正証書遺言公証役場で遺言検索システムを利用検認不要。そのまま手続きに使える
法務局保管の自筆証書遺言法務局で「遺言書情報証明書」を請求検認不要

自筆証書遺言を家庭裁判所の検認なしに開封した場合、5万円以下の過料の対象となります(民法1004条)。封がしてある遺言書を見つけたら、必ず家庭裁判所へ持参してください。

やること②|相続人を確定する(戸籍の収集)

②相続人の確定(できるだけ早く着手)

「誰が相続人か」を正確に確定することが、すべての手続きの出発点です。

故人の出生から死亡までの全戸籍謄本を収集し、法定相続人を特定します。思わぬ相続人(認知した子など)が発覚するケースもあります。

法定相続人の範囲(民法887条・889条)

順位相続人備考
常に相続人配偶者法律上の婚姻関係がある場合のみ
第1順位子(直系卑属)養子・認知した子も含む
第2順位父母・祖父母(直系尊属)子がいない場合
第3順位兄弟姉妹子も直系尊属もいない場合

戸籍収集のチェックリスト

  • 故人の死亡時の戸籍謄本を本籍地で取得する
  • 出生までさかのぼってすべての戸籍を収集する
  • 転籍している場合は以前の本籍地の役所にも請求する
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本を取得する
  • 相続人全員の印鑑証明書・住民票を準備する

戸籍の収集は遠方の役所への郵送請求が必要になることもあり、1〜2ヶ月かかる場合があります。相続放棄の3ヶ月という期限を考えると、できるだけ早く着手することが大切です。「法定相続情報証明制度」を活用すると、その後の各種手続きがスムーズになります。

やること③|財産をすべて調査する

③財産調査・財産一覧の作成(2ヶ月以内を目安に)

相続するかどうかを決めるために、まず故人の財産をすべて洗い出す必要があります。

プラスの財産だけでなく、借金・ローン・保証債務などマイナスの財産も必ず調査してください。

調査すべき財産の種類と調査方法

財産の種類調査方法
預貯金・現金通帳・キャッシュカードを確認。銀行へ残高照会
不動産(土地・建物)固定資産税の納税通知書、法務局で登記事項証明書を取得
有価証券(株・投資信託)証券会社からの郵便物・通知を確認
生命保険・個人年金保険証書を確認。各保険会社へ問い合わせ
借金・カードローン金融機関からの書類、信用情報機関(CIC・JICC等)へ照会
住宅ローン金融機関へ残高確認(団体信用生命保険で完済になる場合も)
連帯保証債務契約書類を確認(見落としが最も多いケース)

連帯保証人になっていた場合、主債務者が返済不能になれば相続人が請求を受けます。故人の書類は何でも確認し、金融機関への問い合わせも忘れずに行いましょう。信用情報機関への照会は、本人死亡後でも相続人が行うことができます。

やること④|相続方法を決定する(3ヶ月以内・最重要)

④相続方法の決定(3ヶ月以内・厳守)

財産調査の結果をもとに、「単純承認」「相続放棄」「限定承認」のいずれかを選びます。

この選択は相続の開始を知った日から3ヶ月以内(民法915条)に行う必要があります。

3つの選択肢の比較

選択肢内容向いているケース期限
単純承認プラス・マイナスすべてを引き継ぐプラスの財産が多い場合何もしなければ自動的にこれになる
相続放棄すべての財産・債務を放棄する借金が多い・関わりたくない場合3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述
限定承認プラスの範囲内でのみ債務を引き継ぐ財産の全容が不明な場合3ヶ月以内・相続人全員で申述

重要!

3ヶ月の期間内に故人の財産を使用・処分・消費してしまうと、「単純承認した」とみなされ(民法921条)、たとえ借金があっても相続放棄ができなくなります。故人の預金を葬儀費用以外に使うことや、財産を売却することは特に注意が必要です。

相続放棄の手続きの流れ

  • 相続放棄申述書を作成する
  • 故人の戸籍謄本・申述人の戸籍謄本を準備する
  • 故人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ申述する
  • 家庭裁判所から照会書が届いたら回答する
  • 「相続放棄申述受理通知書」を受け取る

相続放棄をすると、最初から相続人でなかったことになります。次の順位の相続人(例:子が放棄すると父母、父母が放棄すると兄弟姉妹)に相続権が移るため、親族への連絡も忘れずに行いましょう。

3ヶ月の期限が延長できる場合

財産調査が間に合わないなど、やむを得ない事情がある場合は、家庭裁判所に熟慮期間の伸長を申し立てることができます(民法915条1項ただし書き)。

項目内容
申立先故人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
申立期限3ヶ月の期間が満了する前
必要書類申立書・故人の戸籍謄本・申立人の戸籍謄本など
伸長される期間裁判所の判断による(通常1〜3ヶ月程度)

「3ヶ月では財産調査が終わらない」「相続人と連絡が取れない」という場合は、期限前に必ず家庭裁判所へ相談しましょう。期限を過ぎてからでは申立てができません。

3ヶ月以内に「やってはいけないこと」

相続放棄を検討している場合、以下の行為は「単純承認」とみなされる可能性があるため、十分な注意が必要です。

やってはいけない行為理由
故人の預金を引き出して使う財産の処分にあたり単純承認とみなされる恐れがある
故人の不動産を売却・賃貸する財産の処分にあたる
故人名義の借金を返済する相続財産を処分したとみなされる場合がある
故人の財産を隠す・消費する民法921条により単純承認とみなされる

ただし、葬儀費用への充当については、一般的に「相続財産の処分」にはあたらないとされています。また、故人の生活費・医療費など必要最小限の支出も同様です。判断が難しい場合は、動かす前に専門家へご相談ください。

まとめ

相続発生後3ヶ月以内にやること まとめ

  • 遺言書の有無を確認する(できるだけ早く)
  • 戸籍を収集して相続人を確定する(1〜2ヶ月以内)
  • プラス・マイナスすべての財産を調査・一覧化する
  • 借金・連帯保証債務がないか信用情報機関でも確認する
  • 単純承認・相続放棄・限定承認のいずれかを選択する
  • 相続放棄・限定承認は3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述する
  • 期間内に財産を処分・使用しないよう注意する

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この記事を書いた人

光野 肇のアバター 光野 肇 福岡県飯塚市の行政書士

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