遺言書とは何か?書いておくべき理由と基礎知識【福岡・飯塚・筑豊の相続遺言ガイド】

「遺言書って、お金持ちだけが作るものじゃないの?」
「遺言書がなくても、家族がうまくやってくれると思っていた」
「遺言書を作りたいけど、何から始めればいいかわからない」
遺言書は特別な人だけが作るものではありません。
むしろ、残された家族への最大の思いやりが遺言書です。遺言書が一枚あるだけで、相続手続きをスムーズに終えることができます。また家族間のトラブルを防ぐこともできます。
福岡・飯塚相続遺言の相談所 行政書士あきつ事務所 行政書士の光野がお伝えします。
遺言書とは何か?
遺言書(ゆいごんしょ・いごんしょ)とは、自分が亡くなった後の財産の分け方や、伝えたい意思を書き記した法的な文書です(民法960条以下)。
遺言書は単なる「希望のメモ」ではなく、法律に定められた方式で作成することで法的な拘束力を持ちます。つまり、遺言書の内容は相続人全員が従わなければならない「法律上のルール」として機能します。
| 項目 | 遺言書がある場合 | 遺言書がない場合 |
|---|---|---|
| 財産の分け方 | 遺言書の内容が最優先される | 相続人全員で話し合って決める(遺産分割協議) |
| 手続きの進みやすさ | 遺言書に従って手続きを進められる | 相続人全員の合意が必要で時間がかかる |
| トラブルのリスク | 低い(意思が明確なため) | 高い(意見が分かれやすい) |
| 特定の人への配慮 | 可能(世話をした子へ多く渡すなど) | 法定相続分が原則となる |
遺言書の法的な効力
遺言書が法的に有効な場合、原則その内容は法定相続分より優先されます(民法902条)。つまり、民法で定められた「相続人が受け取るべき割合(法定相続分)」よりも、遺言書の内容が優先されるのです。(遺留分については後述。)
遺言書でできること(民法で認められた主な内容)
- 誰に・何を・どれだけ相続させるかを決める
- 法定相続人以外の人(友人・団体など)に財産を渡す(遺贈)
- 相続人の一人に多く・または少なく財産を渡す
- 認知(婚外子を法律上の子として認める)を行う
- 遺言執行者(遺言の内容を実行する人)を指定する
- 相続人の廃除・廃除の取り消しを行う
遺言書が特に必要な人|9つのケース
「うちには遺言書なんて必要ない」と思っていても、実はそうではないかもしれません。以下のケースに当てはまる方は、特に遺言書の作成をおすすめします。
遺言書がないと、配偶者だけでなく義理の兄弟・甥・姪が相続人になります。
配偶者に全財産を残したい場合は遺言書が必須です。
不動産は現金と違って分けにくい財産です。
誰が相続するかを明確にしておかないと、兄弟間の争いの原因になります。
前婚の子も現在の配偶者との子も、同等の相続権を持ちます。
遺言書で財産の分け方を明確にしておく必要があります。
介護や事業への貢献に報いたい場合、遺言書で「多く渡す」意思を示すことができます。何もしなければ法定相続分で均等になります。
兄弟間の関係が良くない場合、遺言書がないと遺産分割協議で揉める可能性が高くなります。遺言書で事前に分け方を決めておくことがトラブル防止になります。
認知症が進行すると、法律上有効な遺言書を作成できなくなります。判断能力があるうちに作成することが重要です。
法定相続人以外の方(友人・介護施設・NPOなど)に財産を渡すには、遺言書による「遺贈」が唯一の方法です。
相続人が多い・疎遠な親族がいる場合、全員の合意を取るのは困難です。
遺言書があれば、基本的に遺産分割協議なしに手続きを進められますので、原則的には、他の親戚・相続人の方々に印鑑証明書や署名をお願いすることもありません。
事実婚や内縁関係、同性婚の間柄の方は、パートナーの法律上の相続分を受け取ることはできません。遺言書を作成しておくことで、お互いが安心することが出来ます。
また医療行為の同意や葬儀や納骨などの死後事務委任契約などについても、公正証書を作成しておくことで、戸籍上の親族ではなくても正式に関わることが可能となります。
遺言書の3つの種類
法律上認められている遺言書には、主に3つの種類があります。それぞれに特徴があり、状況に合わせて選択することが大切です。
| 種類 | 作成方法 | 費用 | 確実性 | 検認 |
|---|---|---|---|---|
| 自筆証書遺言 | 自分で全文を手書き | ほぼ無料 | △(形式不備で無効になる場合あり) | 必要(法務局保管を除く) |
| 公正証書遺言 | 公証人が作成 | 数万円〜 | ◎(無効になりにくい) | 不要 |
| 秘密証書遺言 | 自分で作成し公証役場で封印 | 1万円程度〜 | △(内容の確認がされない) | 必要 |
それぞれの詳しい書き方・手続きは、次回以降の記事で詳しく解説します。
遺言書がないとどうなるのか?
遺言書がない場合、故人の財産は「遺産分割協議」という相続人全員の話し合いによって分けられます。この話し合いがスムーズにいけば問題ありませんが、現実には様々な問題が起こりがちです。
遺言書がない場合に起こりやすい問題
| 問題 | 内容 |
|---|---|
| 実家の扱いで揉める | 誰が相続するか・売るかどうかで意見が対立しやすい |
| 介護した子が報われない | 介護への貢献が認められなければ、法定相続分で均等になる |
| 疎遠な相続人と協議が必要に | 長年会っていない親族とも話し合わなければならない |
| 配偶者が義兄弟と協議しなければならない | 子どもがいない夫婦の場合、義兄弟が相続人になる |
| 認知症の相続人がいると協議できない | 判断能力のない相続人がいると成年後見人の選任が必要 |
| 手続きが何年も止まる | 意見がまとまらないと銀行や不動産の手続きが進まない |
以下は、令和7年度司法統計年報3家事編第44表遺産分割事件数より抜粋したものです。

遺言書を作成するのに「早すぎる」はない
「まだ元気だから、遺言書は高齢になってから作ればいい」と思っていませんか?しかし、遺言書には「早すぎる」ということはありません。
- 遺言書はいつでも書き直すことができる(最後に作成したものが有効)
- 認知症が進むと法律上有効な遺言書を作成できなくなる
- 突然の事故・病気で判断能力を失うことがある
- 早めに作成しておくことで、その後の人生を安心して過ごせる
遺言書作成を専門家に依頼するメリット
遺言書は法律で定められた方式を守らなければ無効になります。専門家に依頼することで、確実で安心な遺言書を作成できます。
| 専門家依頼のメリット | 内容 |
|---|---|
| 形式の不備を防ぐ | 無効になるリスクを大幅に減らせる |
| 内容の整理をサポート | 「何を書けばいいか」の整理から一緒に考えてもらえる |
| 法律的な観点からのアドバイス | 遺留分・税務など、専門的な視点から最適な内容を提案してもらえる |
| 公正証書遺言の手続き代行 | 公証役場との調整・必要書類の収集を代行してもらえる |
| 作成後のフォロー | 状況が変わったときの書き直しにも対応してもらえる |
よくある質問(FAQ)
- 遺言書は何歳から作れますか?
-
民法上、満15歳以上であれば遺言書を作成することができます(民法961条)。ただし、判断能力(意思能力)があることが前提です。認知症などで判断能力が低下している場合は、有効な遺言書を作成できない場合があります。
- 遺言書は夫婦で一緒に作れますか?
-
いいえ、遺言書は一人一通が原則です(民法975条・共同遺言の禁止)。
夫婦それぞれが別々に作成する必要があります。ただし、同じ日に同じ内容でご夫婦それぞれが作成することは可能です。
子どものいない夫婦の場合は、二人とも公正証書での遺言書を作成される方もいらっしゃいます。
- 遺言書があれば、相続人は必ず従わなければなりませんか?
-
基本的には遺言書の内容に従う義務があります。
ただし、相続人全員が合意すれば、遺言書と異なる内容の遺産分割を行うことも可能です。また、一定の相続人には「遺留分」として最低限の相続分が保障されています。
- 遺言書を作成した後、気が変わったら書き直せますか?
-
はい、何度でも書き直すことができます。
同じ内容について複数の遺言書がある場合は、最後に作成したものが有効になります(民法1023条)。気持ちや状況が変わったら、その都度更新することをおすすめします。
- 財産が少なくても遺言書は必要ですか?
-
はい、財産の多寡に関係なく、遺言書は有効です。不動産・預貯金が少額であっても、「誰に何を渡すか」を明確にしておくことで、残された家族の負担・面倒な手続きをせずに済み、大幅に軽減できます。「財産が少ないから必要ない」という考えは誤りです。
まとめ
遺言書の基礎知識 まとめ
- 遺言書とは、自分の死後の財産の分け方を定めた法的拘束力のある文書
- 遺言書の内容は法定相続分より優先される(民法902条)
- 子どもがいない夫婦・不動産がある方・介護してくれた子がいる方などは特に必要
- 遺言書の種類は主に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2つ
- 遺言書がないと遺産分割協議が必要になり、トラブルの原因になりやすい
- 遺言書はいつでも書き直しができる。作成に「早すぎる」はない
- 法律上の方式を守らないと無効になるため、専門家への相談がおすすめ
遺言書の作成、一緒に考えませんか?
遺言書は「死を意識するもの」ではなく、「大切な家族への最後のプレゼント」です。
自分の想いを正しく伝え、残された家族が安心して生活できるよう、まず一歩踏み出してみましょう。
「我が家は遺言書が必要かどうか知りたい」「何から始めればいいかわからない」という段階からご相談いただけます。
飯塚市・直方市・田川市・宮若市・嘉麻市をはじめ、福岡県全域の皆さまのご相談をお受けしています。
【無料相談・訪問相談のご案内】
福岡・飯塚相続遺言の相談所 行政書士あきつ事務所では、毎日相談予約を受け付けております。
相談は何度でも無料です。
お電話、または、ホームページのメール相談予約(24時間)より、お気軽にご連絡ください。
ご相談やこれまでのご事情、今後のご希望などをゆっくりお伺いいたします。
ご自宅などへご訪問も可能ですのでご遠慮なくお伝えださいね。
福岡・飯塚相続遺言の相談所
行政書士あきつ事務所
行政書士 光野 肇 (ミツノ )
- 所在地 : 福岡県飯塚市東徳前20番30号 金澤ビル2階
- お問合せ:✉相談予約フォームより24時間ご相談の予約メール受付中です。
- 電話番号: 0948-35-9039
- 平日 : 9:30~17:00
- 土日祝 : 事前のご予約で、土日祝も相談対応可能です。




