現代相続の難問「デジタル遺産」の探し方【福岡・飯塚・筑豊の相続ガイド】

こんにちは。
福岡県飯塚市で相続・遺言を専門にしております、
福岡・飯塚相続遺言の相談所 行政書士あきつ事務所 行政書士 光野 肇です。
「亡くなった父の部屋を片付けていたら、古いスマートフォンが出てきたけれど、ロックがかかっていて中身が全く見られない」
「紙の通帳がどこにもないけれど、もしかしてネット銀行を使っていたんじゃないかしら……」
50代、60代で親御様の相続手続きに直面することで、このような「目に見えない財産」に関するご相談が非常に増えています。
一昔前であれば、実家の引き出しを探して「通帳」や「株券」が見つかれば財産が把握できました。
しかし現代は、あらゆる手続きがインターネット上で完結する時代です。
この、スマートフォンやパソコンの中にしか残されていない財産や情報のことを「デジタル遺産」と呼びます。
デジタル遺産は、放置するとお金が減り続けたり、最悪の場合は相続トラブルに発展したりする大きな落とし穴を秘めています。
今回は、あるご遺族のリアルな事例を交えながら、その危険性と調査方法、そして私たち合同事務所が皆さまをサポートする体制について詳しく解説します。
1. 【事例】「ロックが開かない…」父の死後に毎月引き落とされる謎の料金
Eさん(50代・女性)の事例です。
お父様が亡くなられ、Eさんは長女として実家の片付けや、手元にあった通帳の解約手続きを順調に進めていました。
お父様は生前、最新のスマートフォンを使いこなし、ネットショッピングなどを楽しんでいる一見アクティブな方でした。
ところが、相続手続きが一段落した頃、お父様のクレジットカードの明細(Web明細だったため、パソコンにログインしてようやく確認できたもの)を見て、Eさんは青ざめました。
- 毎月数万円の謎の引き落とし: 複数の有料動画サービスや、株の投資信託(積立)、さらにはネット通販の定期購入など、合計で毎月4万円近くが引き落とされ続けていたのです。
- スマホのロックという高い壁: すぐに解約しようとお父様のスマホを手に取りましたが、画面ロックのパスワードが分からず、何度試しても開きません。
- 無理に何度も入力すると完全にロックがかかってデータが消える恐れがあると知り、Eさんはそれ以上触れなくなってしまいました。
Eさんは、「目に見えないサブスクの解約のために、どこの会社にどう連絡すればいいのか分からず、平日の夜中にパソコンの前で泣きそうになりました……。
2. 放置は厳禁?デジタル遺産に潜む「3つの落とし穴」
デジタル遺産には、主に「マイナスのデジタル遺産(負債)」と「プラスのデジタル遺産(資産)」があり、どちらも放置すると大変なことになります。
落とし穴①:解約しない限り「サブスク料金」が発生し続ける
事例のEさんのように、動画配信、音楽、オンラインゲームなどの月額課金(サブスクリプション)は、名義人が亡くなった後も自動で引き落とされ続けます。
法律上、亡くなった方の契約関係(債務)も相続人が引き継ぐことになるため、気付かずに放置していると、遺産である預貯金やクレジットカードからどんどんお金が減っていってしまいます。
落とし穴②:ネット銀行・ネット証券の「資産」を見落とす
「紙の通帳がない」ネット銀行や、アプリ内だけで管理されている新NISAなどのネット証券は、家族がその存在に気付かなければ、最悪の場合、誰にも引き継がれることなく「休眠口座」として眠ってしまうリスクがあります。
落とし穴③:SNSの放置によるアカウント乗っ取り
亡くなった方のX(旧Twitter)やInstagram、LINEなどのアカウントをそのままにしておくと、悪質な第三者に乗っ取られ、詐欺の片棒を担がされるなどの二次被害に遭う危険性があります。
3. 法律に則って進める「デジタル遺産」の正しい調査術
スマホが開かないからといって、諦める必要はありません。プロは法律の手続きをベースに、以下のように調査を進めます。
ステップ①:クレジットカードの明細とメールの確認
パソコンやタブレットが残されている場合、ブラウザに残った自動ログイン機能などを使い、クレジットカードの利用履歴や、登録されているメールアドレスの受信ボックスをチェックします。証券会社や銀行からの「お取引通知メール」が来ていれば、それが最大のヒントになります。
ステップ②:金融機関への「残高照会」と「名義変更」
ネット銀行やネット証券の存在が疑われる場合、相続人であることを証明する書類(戸籍謄本など)を提出することで、ログインパスワードが分からなくても、金融機関側は残高の開示や口座解約の手続きに応じる義務があります。
法律上の根拠
民法第896条(相続の一般的効力)
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を受け継ぐ。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。
ネット上の資産も、通常の預貯金や不動産と全く同じ法律上の「相続財産」です。
そのため、名義変更や解約には、相続人全員の同意(遺産分割協議書)が必要になります。
忘れがちなデジタル遺産のチェックリスト
| 分類 | 確認対象(具体例) | 探す手がかり・チェックポイント | 確認 |
| ①お金が残っている可能性(資産) | ネット銀行 (楽天銀行、SBI住信ネット銀行、PayPay銀行 など) | ・通帳はありません。スマホのアプリ画面や、登録メールアドレス宛の「残高通知」「入出金連絡」のメールを確認します。 | □ |
| ネット証券・新NISA (SBI証券、楽天証券、マネックス証券 など) | ・取引報告書が郵送されず、すべて電子交付(Web上)になっています。メールの検索窓で「証券」「約定」「NISA」と検索します。 | □ | |
| 電子マネー・スマホ決済・ポイント (PayPay、楽天ペイ、d払い、Suica、マイル など) | ・スマホのホーム画面にある決済アプリの残高を確認します。数万円分のポイントやチャージが残っているケースが多発しています。 | □ | |
| 暗号資産(仮想通貨) (bitFlyer、Coincheck など) | ・専用アプリの有無を確認します。海外口座などの場合、家族では発見が難しいため、メールの登録通知が重要な手がかりになります。 | □ | |
| ②お金が減り続けるリスク(負債・固定費) | 月額課金(サブスク) (Amazonプライム、Netflix、YouTube など) | ・利用していなくても、解約しない限り毎月自動で引き落とされます。**クレジットカードの利用明細(Web明細)**を過去1年分さかのぼって確認します。 | □ |
| ネット通販の定期購入 (健康食品、化粧品、サプリメント など) | ・定期便の解約が必要です。実家に届く定期的な荷物や、メールの「発送完了通知」を見落とさないようにします。 | □ | |
| 有料アプリ・ゲーム内課金 (AppleやGoogle経由の月額課金) | ・スマホの「設定」画面内にある「サブスクリプション(購入履歴)」から、現在進行形で課金されているサービスの一覧を確認できます。 | □ | |
| ③トラブル・悪用防止(アカウント) | SNSアカウント (LINE、X(旧Twitter)、Instagram、Facebook) | ・長期間放置すると、乗っ取り被害に遭い、詐欺の踏み台にされる恐れがあります。追悼アカウントへの移行や、アカウント削除の手続きを行います。 | □ |
| クラウドストレージ (iCloud、Googleドライブ、Dropbox など) | ・故人の思い出の写真や動画、重要書類のデータが保存されている場所です。家族への引き継ぎや、データのバックアップを行います。 | □ |
4. 行政書士あきつ事務所の強み:「デジタル遺産もワンストップで解決」
デジタル遺産の整理は、単にスマホの画面を操作するだけでは終わりません。
「ネット証券に数百万の株が見つかったので、名義変更したい」 「ネット銀行の預金を分けるために、遺産分割協議書を作ってほしい」 「もし名義変更の中に、実家の土地(不動産)のデータもオンライン管理されていたら……」
このように、デジタル遺産の先には必ず「厳格な法的名義変更手続き」が待っています。
当事務所は、行政書士と司法書士の合同事務所ですので、この現代特有の難しい問題にも一箇所(ワンストップ)で迅速に対応できます。
- 行政書士(私・光野肇)の役割: 複雑な戸籍収集と相続図の作成を行い、デジタル遺産を含めたすべての財産を網羅した「財産目録」。さらに相続人の皆様のご納得いただける「遺産分割協議書」を作成します。
- 司法書士の役割: もしデジタル調査の過程で、ネット上の登記情報や不動産資産に紐づくデータ、あるいは株の名義変更に伴う高度な法的名義書き換え(登記手続きなど)が必要になっても、同じオフィス内で迅速に引継ぎ、申請を完了させます。
デジタルに不慣れな方にとっては頭を抱えることばかりです。
皆さまのストレスを、私たちが一括で引き受けます。
5. 生前の元気なうちに「デジタル終活」「エンディングノート」の会話を
今回ご紹介したトラブルを防ぐ一番の特効薬は、「生前にお互いのデジタル状況を少しだけ共有しておくこと」です。
「スマホのロック解除番号」
「メインで使っているネット銀行の名前」
これらをエンディングノートやメモに一言残しておくだけで、残されたご家族の負担は100分の1になります。
もし、すでに相続が発生してしまい、「親のスマホを前に途方に暮れている」という方がいらっしゃいましたら、どうかひとりで悩まないでください。
最後に:次回「相続税申告の10ヶ月の壁」について
次回は、「『10ヶ月』はあっという間。相続税申告が必要な人へのサポート」をお届けします。税金の期限に遅れないための、賢い立ち回り方を解説します。
【無料相談・訪問相談のご案内】
福岡・飯塚相続遺言の相談所 行政書士あきつ事務所では、
飯塚市、嘉麻市、桂川町、直方市、田川市その他筑豊地域、福岡県内の皆様のご相談に対応しております。
公正証書での遺言書の作成や、複雑で面倒な相続手続き、面倒な戸籍収集、遺産分割協議書、銀行や証券口座の解約引き継ぎ、自動車や不動産の名義変更など、ご葬儀後や時間の経ってしまった複雑な相続手続きについて、無料でご相談いただけます。
また当事務所は司法書士との合同事務所ですので不動産に関する相続登記や生前贈与もスムーズにご案内が可能です。
その他、法令を遵守し、弁護士、税理士等他の士業と連携しながら相続手続きを進めてまいります。
お電話、またはホームページのメール相談予約フォームより、お気軽にご連絡ください。
ご自宅へご訪問し、ご相談やこれまでのご事情などをゆっくりお伺いいたします。
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