もし遺言書がなかったら?飯塚・筑豊で残された家族に起きる「3つの現実」

こんにちは。
福岡県飯塚市で相続・遺言を専門にしております、福岡・飯塚相続遺言の相談所 行政書士あきつ事務所の行政書士光野肇です。
「遺言書」と聞くと、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか?
「お金持ちが書くもの」「自分にはまだ早い」「縁起が悪い」……。
私は前職司法書士事務所でのスタッフ経験を含め、約20年間、現場に身を置いてきた立場から、遺言書は「家族への最後のメッセージであり、優しさ」だと思っています。
逆に、もし遺言書を作成していなかったら、どうなるでしょうか?
今回は、飯塚市や筑豊エリアの実情を交えながら、遺言書がない場合に残されたご家族に待ち受ける「3つの現実」について、分かりやすく解説します。
現実1:「遺産分割協議」という、親族の会議が始まる
遺言書がない場合、誰がどの財産を受け継ぐかは、法律で定められた割合(法定相続分)をひとつの目安として、相続人全員で話し合って決めなければなりません。
これを「遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)」と呼びます。
「うちは兄弟仲が良いから、話し合えば大丈夫」
そう思っていらっしゃいませんか?
実は、相続トラブルの多くは、ドラマに出てくるような大富豪ではなく、ごく一般的なご家庭で起きています。
なぜなら、金額の多い少ないにかかわらず、「そこに住んでいる家がある」「思い入れのある土地がある」からです。
遺言書があれば、遺産分割協議をせずに、遺言書の内容通りに財産の名義変更が出来ます。
相続人がいない、子がいない場合の複雑さ。
亡くなられた方が、配偶者、子、親が既にいないことがあります。いわゆる、おひとり様の相続です。
このケースで、遺言書が無い場合、兄弟姉妹がいれば、兄弟姉妹やその甥・姪に相続権がわたります。
しかしながら、兄弟姉妹全員が、高齢で疎遠、遠方に居住、病気、認知症などであれば、非常に相続手続きが複雑化します。
このような場合に備えて、遺言書を作っておくのです。
身近でお世話になった方へ遺言で贈与したり、市町村や学校、団体への寄付をすることなど、事前の準備で、親族へ複雑な手続きをお願いする必要がなくなります。
ちなみに、兄弟姉妹もいない場合は、相続人不存在となり、裁判所の手続きを行い、最終的には国庫(国)へ帰属することとなります。
飯塚市周辺特有の難しさ:不動産の評価と分割
特に飯塚市周辺では、ご自宅以外にも、先代から引き継いだ田畑や山林をお持ちの方も多いです。
- 「兄貴は家を継ぐからいいけど、俺は現金が欲しい」
- 「その土地は、今は価値が低いけれど、将来どうするつもり?」
こういった意見の食い違いが、仲の良かった兄弟姉妹の間に深い溝を作ってしまうことがあります。
遺産分割協議は、全員の合意が必要です。
一人でも反対すれば、手続きはストップしてしまいます。
実務経験の中で、私は何度も「遺言書さえあれば、こんなに揉めずに済んだのに……」「遺言書さえあれば、他の相続人に協力(文書への署名や印鑑証明書など)をお願いする必要がなかったのに。」と、肩を落とす、ご家族の姿を見てきました。
現実2:銀行口座が凍結!生活費が出せないピンチ
亡くなったこと(相続の開始)を銀行が知ると、その亡くなった人の名義の銀行口座などは「凍結」されます。
これは、一部の相続人が勝手に預金を引き出せないようにするための処置ですが、残されたご家族、特に生計を一にしていた配偶者(奥様や旦那様)にとっては死活問題です。
- 日々の生活費
- 葬儀費用の支払い
- 病院への最後の支払い
これらのお金を、亡くなった方の口座から出せなくなってしまうのです。
解除には、膨大な書類と全員の判子が必要
口座の凍結を解除し、お金を引き出すためには、原則として先ほど申し上げた「遺産分割協議」が完了している必要があります。
または、遺産分割協議の前でも、一定額を引き出せる制度はありますが、どちらにせよ「亡くなった人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本」や「相続人全員の印鑑証明書」など、膨大な書類を集めなければなりません。
飯塚市役所などの自治体窓口に行き、慣れない戸籍の束と格闘する……。法務局で法定相続情報一覧図を作成する…。
悲しみの中で、この作業を行うのは、ご家族にとって想像以上の負担です。
もし、法的に不備のない遺言書があれば、それを銀行に提示することで、はるかにスムーズに手続きを進めることができます。
現実3:放置される「空き家」「名義未変更の土地」
これが、私が飯塚・筑豊地域で最も危惧している現実です。
遺産分割協議がまとまらない、あるいは集める書類が複雑すぎて途中で諦めてしまう……。その結果、亡くなった方の名義のまま放置される不動産が後を絶ちません。
2024年4月から「相続登記」が義務化されました。
これまで、相続登記(不動産の名義変更)は任意でしたが、あまりに増えすぎた「所有者不明土地」問題を解決するため、義務化されました。
放置していると、過料(罰金のようなもの)がかかるリスクがあるだけでなく、その家や土地を売却したり、担保に入れてリフォームローンを組んだりすることもできません。
家族の負担を次世代に先送りしないために。
名義が過去の何代にもわたって変わっていない土地(数次相続)の場合、現在の相続人は数十人にのぼることもあります。その相続人全員の判子をもらうのは、もはや個人では不可能です。
実際に、私が戸籍の収集や法定相続情報一覧図を作成した相続人70名を超える案件が現在も進行中です。
裁判所での調停や審判手続きも必要となれば解決まで数年もかかることになります。
正しい作成方法で遺言書の中に「この土地は長男に継がせる」とひとこと書いてあれば、長男一人の手続きで土地の名義変更が可能となりえます。
このような方法も空き家問題を未然に防ぎ、大切な資産を次の世代へ確実につなぐための方法のひとつなのです。
その他にも空き家を買い取る業者に買い取ってもらう。解体し土地のみを売却する。リノベーションして賃貸にする。地域のコミュニティの場に活用する。など方法は様々です。
金銭的なこともあるかと思いますが、放置してしまうことが一番悲しいことです。
まとめ:遺言書は、残された家族への「最後の優しさ」
いかがでしたでしょうか。
「遺言書がない」ということは、残されたご家族に、「話し合い(争いの種)」「複雑な手続き」「不動産放置のリスク」をそのまま残していくことになってしまいます。
皆様が一生懸命に築いてこられた財産。それが原因で家族が揉めることほど、悲しいことはありません。
「まだ早い」「縁起が悪い」と思わずに、まずは「自分の財産には何があるか」「誰に何を託したいか」を考えてみませんか?
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遺言書は、家族への最後のメッセージです。
「まだ早いかな?」と思われた時こそ、準備を始めるベストタイミングです。
まずは、あなたの不安なお気持ちをお聞かせいたければ、解決の道筋をご案内いたします。
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